オーガニックお茶通信

過去から見る無農薬茶の杉本園:お通信No.40 2007年4月発行

土削り

お茶畑からこんにちは!

みなさんこんにちは!

今年もまた新茶の季節がやってきました

二月はとても暖かく、三月になって寒い日が多くなり、余所の畑では薄らと新芽が伸び色付き始めましたが、その後の寒さであまり伸びていないようです。

一月に完全に東京を引き上げてきた長男(鋭悟)、家の仕事を始めましたが……私としては血圧が上がりそうです。

「おいおい!もう起きろよ!」「何のんびりやってるの!」「シャキっとせい!シャッキと!!」など思うことばかり……

主人に「一度外へ出せば?」と言ったのですが主人は一緒に仕事をして行きたいのです。

実際のところ両親も以前のように畑仕事はできないですし、畑仕事ばかりか販売やイベントなどにも手が回らないのも事実です。

ホームページや幟、包装袋など鋭悟のやることは沢山あり、あてにしなければ出来ないモノばかりです。

幟も、専門学校で勉強してきたので自分でデザインをして発注していました。

デザイン担当の方に「このデザインどこかで作ってもらったんですか?」と聞かれ……

そういえばデザイン専門学校の先生が『将来、家の仕事に役立つような勉強をさせます。』と言って下さいました。

先生のおかげでなんとか役に立っています。

主人に「鋭悟は家で仕事を覚えさせる。鋭悟には『母さんがなんだかんだ言うかもしれんが、どう受け止めていくかお前の問題だからな!』と言っておいたから」と言われたことを思い出しました。

お父さんが決めたならそうして行こう!と決めたのに何かあるとすぐにブレてしまいます。

何があろうと承知して見守って行こうと努力しているこの頃です。

 

横道にそれますが……(主人の親ばかぶりです。)

今年も東京ビッグサイトで行われた『スーパーマーケット・トレードショー』に〈食の学校と仲間達〉というブースから出させて頂きました。

長男の鋭悟が呼び込みをすると他のブースの人達が「兄ちゃん相変わらず良い声出すなー」と覚えていてくれたようです。(これは最初に行った声優の学校の成果です。) 

主人も「『いい跡継ぎでいいねー。』と何人かに言われた。」と、いいかどうかはさておき、鋭悟が戻ってきて一番嬉しそうです。

次に名古屋工業大学に行った次男、「大学に行って本当に勉強が好きで出来るやつはいる。大学院に行くよりは……と就職活動をしてみれば自分にあるのは大学の名前だけ、他に何がある訳でも無く自分の中味はまるで無かった。何も知らず元気しかないから大きな声で質問して教えてもらっている。」と……主人は「やっとそれがわかったか!」と大笑いです。

自然と環境の勉強がしたい!!と高校で生物を取っていないにもかかわらず、宇都宮大学の農学部森林科学科に入った三男は、日光の山々を歩き回り植物採集と生物の勉強ばかり……「どうも違う。」と秋から農業環境工学科の授業も受けています。

好きな物理、数学ができ「“全く“わからんけど、おもしれ~!」と、やれる喜びだけをかみしめながらジャズピアノに夢中!!

主人は春休みに一週間だけ戻ってきた三男を毎日連れて畑仕事へ!筋肉痛を抱えた三男……長男に東京の試飲販売にかり出され、そのままジャズをやりに宇都宮へ帰って行きました。

最後は四男、この春から掛川工業高校に行きます。

パソコンが好き!!だけで情報技術科を受けようとしていたところ、中味がなくてはと父親に言われあっさりと電子機械科に変更。

息子に誘われ掛川工業高校の見学に行き、息子以上に気に入ってしまい、息子の気持ちなど関係なくお茶の機械開発の跡継ぎができた!と一緒にやれる日を夢み喜んでいる主人です。

 

横道から戻りまして最近の茶畑の様子です?By長男

実は先月に小型のユンボ(中古)を買いました。

水捌けの悪いお茶畑の周りをぐるりと掘り、長い長い溝を作りました。

そして次に竹をその溝に入れ土を戻すと水捌けが良くなるそうです。

問題はその“次に”なのですが……いつ竹を伐るのでしょうか?

親父様、早くしないとマジで新茶の時期になっちゃいますよ?

去年は猪の掘った穴で、今年はユンボで掘った長い溝穴ですか。

さすがに今年の落とし穴は深すぎるとダメ息子は思いますよ?

自分で掘った落とし穴に落ちるのはおいしいけどアホすぎです。

こんなことを書くとおまえが何とかしろと仰ると思いますが、まさにその通りでしょう。

でも僕も忙しいのですよ…たぶんね。

逃げるように話は変わり、ここ数年長々細々とやっているプロジェクトがあります。

その名も『お茶畑モヒカン化計画』です。

お茶の横枝を切り、根っこをぶち抜くという至ってシンプルな作業なのです!

幹以外の枝(根分かれして生えてきた細い木など)はすべて根っこごとぶち抜きます。

容赦なく全てぶち抜きます!大元の樹でも枝が横や下に向かって伸びてるモノは切ります。

容赦なくすべて切り刻みます!

そのため密集していた細い木や、横に大きく広がっていた枝は無くなり、風通しよく日の光が地面まで届き、見た目も中心部分だけ残る形……まさしく『モヒカン』となるわけです!

これを行うと効果は……父は大喜びし、祖父が嘆くという構図が出来上がるわけです。

……ではなく、あながち間違ってないけど……。

病気の原因だった『細い横枝』『風通しの悪さ』『暗闇』が一挙に解決し、お茶畑同士の通り幅も広くなり歩きやすくなります。

根っこも浅い根っこは無くなり、より深い根っこだけが生き残ることにより、お茶の樹自らが必要とする栄養を摂取しやすくなります。

伸びてくるお茶の新芽もプチプチとした良いお茶ができるのです!

 

同じ事を・・・私から見れば似たもの親子です。

「親父、益々世間離れしてきたな~。全く逆な事ばかりして、ついにはこの形か!ほぉ~」

……と言っていた鋭悟も、主人のやっている”この”とても手のかかる作業に夢中です。

ナント!自分でお弁当まで作って出かけて行きます。

(筋肉痛でヒーヒー言いながらも楽しそうです。)

その横では鋭悟に引っ張って連れてこられた四男の巧!

「高校受験に受かったからこれからオレが使う!」と、鋭悟にユンボを教えられ坂になっている畑で怖々と穴掘りです。

家にいればズーーーーッとパソコンの前ばかりなので丁度いいですが、この頃は仕事の合間に二人でワラビ採りです。

まだ小さいからと出かかったワラビを土ごと持って来て、家の前の野菜畑に植えお婆ちゃんに怒られていました(笑)

鋭悟自身ずっと父親を見ていて『家庭を犠牲にまでして』と一時は反発していたようです。

しかし「何よりもお茶畑の状態が親父の言う通りになっている。親父は正しいとわかったからやることにして東京から戻ってきた。」と、よその方のブログを見て知った母でした。

さて・・・モヒカン?お茶の樹大きさは世間の半分収量も半分?この作業、全部の畑をまわるまであと2、3年掛かりそうです。

そして、これがある程度の量がとれる大きさに戻るまでには5年くらい掛かります。

お父さん、鋭悟ファイット!

怪訝な顔をして見ていた無農薬茶仲間も、昨年5月に取れた新芽が太くてプチプチした良い芽だったので驚いていました。

 

長男のちょっとした解説と補足

この頃の自分の記事は毎回思いますが……恥ずかしいですね。

でも自分の成長(?)の記録なのでちゃんと残しておきます。

ちなみに今も朝起きることは大の苦手です。

言い訳させて貰うなら、誰にも邪魔されずパソコン作業が出来るのが夜中になるため、毎日寝る時間が日付が変わり1,2時になってしまうからです。

それでも朝起きて会社にいってる方は本当に尊敬します。

さて内容ですが、この年に自分は完全に東京から帰ってきたんですね。

1年ほど勘違いしてました。

この頃は腰もまだ元気で、中腰姿勢で茶の樹の枝を一日中切っていました。

家に帰ってきたものの本当に自分のやること、やりたいことはまだ見つかっていません。

ここから何年も自分の中で苦悩する日々が続きます。

ここまで読んで頂きありがとうございました!次回のNo.41もご期待下さい!