オーガニック日本茶通信

オーガニック日本茶通信:海外からのお話しが増えてきました。

茶草場農法

通信No.039「2006年11月」

今年も一年、ありがとうございました。

寒くなってきましたね。秋冬番茶の刈り取り、稲刈りと忙しかった秋も終わりました。

今年はお天気に恵まれて稲刈り、はず掛け(天日干し)脱穀、籾摺りと、順調でした。

これからは、来年の新茶に古い葉っぱが入らないように機械で畑全部を刈りならします。

それが終われば冬の仕事です。

お茶畑の草取りはもちろんですが、お茶畑に入れる為の山草刈りです。

お弁当を持って一ヶ月くらい「火剣山」「やくし」を作っている深い山に通います。

実はこの山草意外な実りをもたらしてくれます。

気を付けて外してはいるのですが山草と一緒に山芋(自然薯)のツルがくっついてきます。

ツルからむかごが畑に落ち芽を出します。

10月の秋冬番茶の刈り取り前にお茶の樹に絡み付いているツルをひたすら取り除きます。

 

しかし、仲間の北川さんは秋冬番茶をあまり刈りません。

5月の一番茶を刈り取った後はそのままの自然栽培に近い育て方をしています。

そのためにこの時期は草でお茶の樹が隠れています。

秋から冬にかけて草取りをするのですが山芋のツルが年々増えてもの凄いそうです。

ひょっこり家に来て「おい、伴子さん!ほれ、山芋取れたでやるよ。」と、まっすぐな山芋をくれます。

「こんないい物、作ってるの?」と聞くと笑いながら「ハハハ!茶畑で自然と育ったヤツ。今日一日芋掘りで終わったよ。まだ掘れば他の畑にもあるよ!」と……

さすが!畑の土がフカフカなので山芋も真っ直ぐです!

マムシを手でつかまえる北川さんの畑です。

お茶ばかりか天然の山芋もまでもたらしてくれます。

 

この通信もNo39になりました。

ふと、「39……うん?!サンキュウー!?」無農薬をやり始めてもう14年目です。

正直言ってよくここまで来ることが出来たと思います。

ここまで来るのにどれだけ多くの方に助けて頂いてきた事か……

「ここまでこられたのは皆様のおかげです。」

なんて簡単に言葉に表してはいけないくらいにお世話になりました。

失敗を許して頂き、言葉で、文字で、物で手間暇掛けて励まして頂いてきました。

それなのに、なんの御礼もしないで感謝の言葉もなくて来てしまいました。

まさか私の人生にこんな事が待ちかまえていようとは夢にも思いませんでした。

主人は「40になったら何かやるような気がする。」とずっと言ってはいました。

それがこれだったとは……最初はわけもわからず、ただ突っ走る主人に必死に着いて行きながらオタオタ、オロオロ、メソメソ状態でした。

何かあるたびに誰かが声を掛けて支えて下さいました。

今では「あの頃はほんとに大変だったよな~~……親父はいいけど、あと片づけをしていくオレと母さんは必死だったよな!(笑)」「そう言えば大きいお爺ちゃんが亡くなる時に『伊三郎、鋭悟、後を頼む。』って言い残して逝ったけれど、大きいお爺ちゃんはきっと、孫の芳樹が大変な事をやらかすと知っていて”子供の伊三郎お爺ちゃん”と”ひ孫の鋭悟”に我が家の行く末を頼んでいったんだよ。(笑)」「そうだなー、芳樹んおかげでオレン一人で苦労してるよ。ホントに」「さすが爺さん!よくわかってるよ!」と言う主人に思わず息子とジロリ!!

色々とあったけれどおかげ様で家族みんな今では大笑いをして通れるようになりました。

「本当にありがとうございます。」

ともすれば忘れてしまいますが、子供達にも「今があるのはね・・・」って話していきたいと思います。

 

中国の有機栽培を奨めるトップの方々

以前、主人の勤めていた製茶機械メーカーの会長さん、社長さん、部長さん、そして県緑茶協会の理事の方が中国の方々をお連れして我が家にいらっしゃいました。

中国の方々は有機のお茶作りを教える国のトップの方とかが……

(部長さんのお話によると日本の茶業試験場のような所らしいのですが、規模は随分大きく凄い所みたいです。)

主人は誰が来ようとお構いなしに平然とあの自分の感じているままの無農薬茶作りを長々と始めました。

中国では日本への輸出用に国が補助金を出して『有機』を奨めているそうです。

主人が「日本では有機をする為にお金を払っている。有機だからといって高く売ろうとも思わないし実際にそんなに売れない。」と現状を話したところ「そんな状態でなぜ有機のお茶を作るですか?」と不思議がられ質問されていました。

「自分はお金の為に有機を始めたんではない。一番最初に無農薬にしたのは自分の体の為に始めた。だから、自分にとっては一部だけ無農薬と言う事はあり得ない。」

そして、話は続き「国や農協などの機関はお茶の樹や環境にとって逆な事ばかり教える。」と、また始まってしまいました。

国の機関で教えている中国の方々は怪訝そうな顔をしていましたが、主人の話が終わると「今回、私は東京で講演会をして来ました。なぜ今のような講演会をしないのですか?」と尋ねられ、主人は「今までは栽培に重点を置いてきたけれどこれからは機会があったら話して行きたい。」と言っていました。……が。

いらして下さったのが丁度、お昼でお爺ちゃん、お婆ちゃんもいて社長さんや会長さんまでいらしたので二人はホーホー言っていました。

しかし、帰ってからお爺ちゃんは「な~んだ!オラン家のお茶を買え~きたじゃないだか、つまらん。」と……思わず主人と顔を見合わせて苦笑いでした。

 

ここ最近海外からのお話が続きました。

そんな中、オーストラリアの現状を教えて頂き驚きでした。

日本の緑茶は残留農薬の基準を満たせないからヨーロッパには輸出できないし、お米はオーストラリアの求めるカドニウムの基準をクリアーできなくて以前は輸入禁止、今でも制限をされている。

他にも日本産の魚介類、食品添加物など一部の食材は人体に影響があるとして輸入禁止になっているそうです。

緑茶については海外向けにはオーガニックでなければ通用しないと聞いた事はありますが、他の食材、それもお米までもが……っと思いつつも「食品と暮らしの安全」で出している『食べるな危険』シリ-ズの本を思い出しました。

私は気分的に国産ならまだ良い、海外の物は怖いくらいに思っていましたが、単に日本の食に対する考えが甘い為に海外から何でも入って来るし、国内でも何でも作られるんだなって思いました。

でも、国の基準がどうのこうの言う前に改めて自分の“意識”というか“気持ち”が本当に大切なんだなって思い知らされました。

 

こんなことがありました。

クロネコメール便でお送りした荷物が届いていないと連絡を頂き、確認したところ一週間前に配達済みと言う事でした。

主人と「もう一度送らせてもらうしかないね。」と、私は自分がよく間違える事が多いので「また私だ~」と落ち込んでいました。

お客様も今回も届くのを本当に楽しみに待っていて下さり、配達済みなのが納得がいかないからと必死にお茶を探して下さいました。

そして「ありましたよ。」と嬉しそうにお電話を頂きました。

他のお宅に誤配され運送屋さんに戻っていたそうです。

必死になって探して下さった様子に嬉しいやら、恥ずかしいやら……

本当にありがとうございます。

 

お茶農家長男のちょっとした解説と補足

農作業でキツい時期は夏と冬です。そのうち冬は寒い中での草刈りに追われます。

急斜面の山を上の方から草刈り機で段々と刈って下りていきます。

刈り終わるまで1週間以上掛かります。

そこから草をまとめ縛り、運び出すまで一ヶ月かかります。

この山草を茶畑に冬の間ドンドン敷き込んでいきます。

敷き込んだ山草は冬の間の土壌の保温になり、微生物の住処、餌にもなります。

この作業、実は世界農業遺産になっていて「茶草場農法」という名前が付いています。

杉本園のお茶はこの草が命なのです!!

 

中国の方が来たのは覚えています!

どうやれば儲かりますか?という質問に、儲からない!と答えたらしいです(笑)

実際に市場に流すだけでは一般的な農薬・化学肥料を使う慣行栽培と変わらない値段で取引されます。

杉本園は続いていますが、すぐ止める人が居るのもこういう話を聞いてると納得です。

 

ここまで読んで頂きありがとうございました!次回のNo.40もご期待下さい!

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