オーガニックお茶通信

過去から見る無農薬茶の杉本園:お通信No.37 2006年04月発行

火剣山

お茶畑からこんにちは!

みなさんこんにちは!今年もまた新茶の季節がやってきました

今年は桜が早いからお茶は遅いのでは?と言われています。

静岡の開花宣言は3月17日でした。

化学肥料を入れない我が家の新茶、今年はどうでしょうか?

さて、家の仕事を始めた長男ですが、早速お爺ちゃんに連れられ山の畑に出かけました。

道沿いの大きな木の枝切りです。

仕事を始めてまもなく、ワラビ採りの人が畑の中まで車で入って来て左側の車輪を前、後ろとも側溝に落としたそうです。

お爺ちゃんと息子と小屋から木を運びやっと車を出した途端「ありがとうございました。」とサアーっと行ってしまったとか……

お爺ちゃんは、この時期には毎度の事なので少々呆れ気味でしたが、初めての息子は面白かったとはしゃいでいました。

その後、二人で壊れた道を直し木を片づけお昼過ぎに戻ってきました。

午後、改めて木を切りに行き80才のお爺ちゃんは23才の孫が木から落ちてはいけないとよじ登り片手で木を切り始めたそうです。

それを見ていた息子は「お爺ちゃん!危ないからオレやるよ。」と代わってよじ登ったのはいいけれど、あまりの高さと片手の作業に下から見ても震えていたので結局お爺ちゃんがまた登り息子は下で枝の片づけだったようです。

その頃、大学に受かった三男は主人と他の畑で肥料をふり、機械でかき混ぜていました。

「父さんはホントにスゴイよ。あの重たい肥料を抱えてどんどん振るんだから……」と肥料の重さにへろへろ気味でした。

初めての機械も次の通りに曲がれず横の深い溝にこちらも機械を落とし、畑が広いので携帯で父親を呼び機械を何度も上げてもらったようです。オイオイ息子達……

 

お茶の取れる時期って知っていますか?

いつも何気なく「新茶、新茶」って言っていたけれど、お茶の販売をするようになってから「新茶」って言うのは販売時期のことだと分かりました。

一般的に新茶として売り出すのは6月いっぱいのようです。

我が家はお茶を年に3回刈り取ります。

一番茶をこの4月下旬~5月中旬に2.5ha程あるの畑を、新芽の様子を見ながら二週間掛けて刈り取って行きます。

前半の新芽は小さくて柔らかなお茶で収量も少量しか取れません。

高級茶の「極上」「するが」「やくし」等がそれになります。

後半に刈り取ったお茶は葉も硬く大きくなり収量も増えます。

それが食事時に最適なお茶「もえぎ」「火剣山」です。

二番茶は6月下旬から7月中旬にかけて刈り取ります。

慣行農業の人はこの時期に大量の肥料と農薬を撒きます。

夏の為虫や病気の発生も多く、一番茶を刈り取ったばかりで肥料を大量に入れないと二番茶の芽が出ないからです。

農家内では『二番茶は肥料と農薬で取る』と言われています。

家はお茶の樹の根を伸ばす為この時期は一切肥料は入れません。

その為、収量はとても少ないです。

このお茶は一番茶もえぎと半々にブレンドして「ひざし」「いぶき」になります。

二番茶後に秋まで芽を伸ばして、10月に秋冬番茶を刈り取ります。

このお茶は「ほうじ茶」「番茶」「棒ほうじ茶」になります。

これらのお茶はカフェインが少なく優しいお茶です。

「番茶」を水に入れて一晩おいたものは血糖値を下げる働きがあるそうです。

(水で出さないとこの成分は出ないそうです。)

家の「番茶」は深蒸しにしてあるので見た目は一般的な番茶より細かいです。

「番茶」を茶色くなるほど焙じると、コクのある「ほうじ茶」になります。

番茶の棒の部分を焙じると、まろやかな甘さのある「棒ほうじ茶」になります。

 

無肥料栽培って???

「やくし」「火剣山」飲まれた事ありますか?

私は他のお茶に比べて、スッキリとした中に渋みもあり、力強いお茶だなって感じました。

よくお客様に「無肥料栽培ってどのように身体に良いんですか?」と聞かれます。

『無肥料のお茶はこのように身体に良い』と言うお話は何度か聞いた事がありますが、私達は農家です。

農家の立場として主人が感じた事を書かせて頂こうと思います。

家で無肥料のお茶を作っている場所は山奥の畑です。

茶畑を借りた時には作業が大変だからと何年も放置してありました。

手入れをしていった所、とても勢いのある畑だったので、農薬だけでなく肥料も一切入れないで山草だけを畑に入れました。

翌年の新茶は大きなツヤツヤした葉っぱと太くてもプチプチした茎のお茶が取れました。

改めてこの畑の地力の良さを感じました。

家では他の畑も根が伸び芽が出る春から夏に掛けては一切肥料は入れません。

秋から春先にかけて土作り(微生物のエサ)に魚粕と沢山の山草を入れます。

根は深く土はフカフカしています。

春先に入れた山草も夏までには分解されて、なくなってしまいます。

世間では収穫量を増やし、一日でも早く取れるようにと速効性のある化学肥料を入れます。

入れる時期も春から秋にかけての芽が出て根の伸びる時期です。

いつでも欲しい時に手元に肥料がある為に根は伸びません。

10センチから20センチくらいの所に根があります。

そのために干ばつに強いはずのお茶の樹ですが夏は水掛がメインの仕事です。

新茶の時期、周りのお茶畑はチッソ肥料分が多いので濃い緑色をしています。

家のお茶畑だけは淡い萌葱色の新芽です。

刈り取った後も余所の生葉はすぐに加工しなければドンドンと赤茶色になっていきますが、家の生葉は色が濃い緑色に変わっていきます。

 

急降下!!劇的ビフォーアフター (息子編)

通っていた専門学校も卒業し、今年からまた実家の仕事に戻ることになりました。

さて仕事再開です!!よし、試飲販売だ!!

『あれ?今までどうやってお客さんと会話してたのだろう?どうやって売ってた??』

よ、よし、ならば畑仕事だ!!

『……ハァハァ…オ、オレってこんなに体力なかったっけ…し、死ぬ……。』

まぁなんということでしょう…2年のブランクはとても大きく、また1から(畑仕事に関してはマイナスから)のスタートとなったではありませんか…(劇的ビフォーアフター風)

ア、アフターでダメになってる……な、なぜだ…。

こうなったらダメな自分に変わってチャッパー君達にがんばってもらうしかありません!

今まではホームページなどでしか登場していなかったチャッパー君でありますが、熨斗に登場したりと勢力を拡大中です。

最終的に、お茶のパッケージ全てに登場してしまおうという大きな野望を持っています!

そして今現在の状況としましてポストカード化を進めており、お茶工場にチャッパー君達を載っけてしまおうという計画をも錬っています。

これからもチャッパー君共々、自分もがんばっていくので応援よろしくお願いします。

結論としてここ2年は絵だけ上達して、他はダメになったと……

ふむ、怒られる前に逃げるとしよう………

 

長男のちょっとした解説と補足

自分もここで家の仕事に入りました。正直この段階では仕事なめてます。

言われるがままやっていて、これがどういう意味のある仕事か?など考えていません。

ここから3年くらいはこのまま唯々頑張って行きます。

今読むと自分の事ながら恥ずかしさを感じますね。

 

杉本園は2011年以降全ての畑を自然栽培でやっています。

この当時やっていた自然栽培茶「やくし」「火剣山」のお茶畑がある火剣山の畑は、道が崩れて行けなくなったため現在は栽培していません。

今回の写真はこの火剣山の茶畑になります。

草場にもなっていて、この草を大量に運び出し、畑に敷き込んでいました。

草運び

この山草を沢山入れる農法は今で言うところの茶草場農法になります。

ここまで読んで頂きありがとうございました!次回のNo.38もご期待下さい!