オーガニックお茶通信

過去から見る無農薬茶の杉本園:お通信No.28 2003年7月発行

初めてのお茶の火入れ

お茶畑からこんにちは!

今年はいつまで経っても梅雨が明けず、お茶畑に行っても空を見ながらの仕事が続きます。

そんな中、とっても元気で色艶が良く、元気にグッと畑に生えているのが”草”です。

春から秋にかけて、我が家はひたすら畑の草取りが毎日続きます。

六月の終わりから七月上旬は二番茶の刈り取り時期でした。

周りの農家は品質をよくする為に『みる芽』で刈りでなければ!と芽の出始めた小さなお茶を一気に刈り取り「アッ」と言う間に終わってしまいました。

「二番茶は化学肥料と、農薬で取る。」と農家内では言われています。

そのため新茶の刈り取りが終わると一斉に農薬散布と肥料振りが始まります。

農協や共同のお茶工場から流れてくるファックスを見ながら「どの農薬をどのくらい掛けようか。」「どんな肥料を振れば収量が増えるか。」と、畑の様子より気にしてるようです。

また、とっても熱心な農家の人は頻繁に畑に出掛け、虫や病気が少しでも発生すると農協に持って行き、農協の人達とどの薬が効くのかを相談して早め早めに消毒していきます。

見ていると「また掛けてる。あっ、また掛けてる。」と慌てて車の窓を閉めて通ります。

みんなは農薬散布!家は黙々と草取り!余所の畑って不思議と草が生えないんですよね。

草取りはとても大変な作業ですが「お~、土が生きてる~!」と実感する時でもあります。

 

本人の承諾なしで……我が家の長男(あととり?)

自分の年を感じるのであまり表に出したくない人物でもありますが、いつもの事ながら本人の承諾なしで勝手に……ただいま20歳、あくまでも自称『杉本園東京出張所所長』

一年の半分以上を東京で住み、自然食のお店に試飲販売をさせてもらいに行ったり、HP全般を担当しています。

おばちゃん達やお店の方々とお話をする事が大好きで、試飲販売を結構楽しんでいます。

この頃は同居している高校からの友達も引っ張って、彼も“杉本”W(ダブル)杉本で頑張っているようです。

細かな試飲販売は彼に任せっぱなしで、息子はおばちゃん達とお話をしているそうです。

本人に言わせると「奥の深い無農薬茶の話をしているんだ。」とか……??

忙しい時には農作業をしに戻ってきます。

「ずっと、東京にいるとストレスがたまる。」と、誰もいない山の中で畑仕事をしながら、ずーーーーーーーーーっと大きな声で歌を歌っています。

「ふー、疲れたー。」と、畑仕事よりも歌い疲れてへばっています。

「ウン?動いていない。」よく見るとカラスに話しかけています。

「カー、カー」「アホー、アホー」と、カラス語?何故か?カラスもそれに答えています。

そのうち声が大きく荒っぽくなり見ていると、カラスと喧嘩をしているんです。

もうー、アホーはアンタだよ!と、呆れたり怒ったりとこっちが疲れてしまいます。

そして「だいぶ居たからストレスがたまった。東京へ帰る。」と居なくなる変な奴です。

 

この春から製造の認証も取りました。

お茶は栽培するだけでなく、刈り取った茶葉をお茶工場の製茶機械で製品にしていきます。

この時点のお茶は『荒茶』と言い、お茶の芽、葉、茎、粉などが全て入っています。

ここまでの有機認証は今まで持っていました。

今度からは『荒茶』を綺麗に再製し、青臭さを取り芳ばしい香りを引き出す『火入れ』に、小袋に『袋詰め』する『製造の認証』を今度取りました。

今までは認証のあるお茶屋さんにお願いしていましたが、機械を揃え自分でやることにより益々安全性が高められました。

家で仕上げをするので絶対余所のお茶とは混ざりません。

が!……仕上げ(再製、火入れ)をするには技術を要します。

『自然のわの仲間』の角皆さんに教えて頂きながらやりました。

大きな声では言えませんが仕上げ、火入れの腕はまだまだなので思い道理にいきません。

また、また四苦八苦の日々を送っています(笑)

これから回を重ねていくことに上手になって行くと期待を……イエ!なってもらいます!

 

家のお茶は“深蒸し茶”という製造方法です。

普通蒸し茶は蒸し時間が短く、茶葉は針のようにピーンとした形状をしています。

抽出したお茶は透明な黄緑色です。渋みも香りも共にあります。

それに比べ、深蒸し茶は蒸し時間を長くします。

長時間蒸す事により見た目は粉が多いお茶に仕上がりますが、この粉が美味しさの元です。

香りは普通蒸しより弱めですが、抽出したお茶は渋みの少ない甘みのあるお茶になります。

粉が多い為に目詰まりしやすいので、急須は深蒸し用をご利用頂くとよく出ます。

杉本園でも扱っています!

 

(賞味期限と保存方法)冷蔵庫で開封しないで保存して頂ければ1年以上持ちます。

昔からお茶は1年経ち新茶時期になると、新茶の味と香りが戻ってくると言われています。

番茶は3年ほど冷蔵庫で寝かせると、味もまろやかで体に優しいお茶になると聞きました。

杉本園では賞味期限を出荷日から1年で打たせて頂いています。

常温で保存されるの場合は、日光の当たらない涼しいところに保管して下さい。

パウダー茶は6ヶ月で打たせて頂きました。

開封しないで冷蔵庫で保存して頂ければ、半年以上味が変わりません。

保存方法、冷蔵庫で保存して下さい。

お茶は高温・湿気・直射日光・酸素を嫌います。開封したらお早めに飲んで下さい。

開封後に時間が空く場合は、袋のまま空気を出して輪ゴムなどでしっかり締めてください。

袋のままお茶缶に入れると、より密封でき長持ちします。

空気と触れる部分が少ない方が良いです。

お茶は臭い消しにもなります。それだけ他の臭いを吸収しやすいので気をつけて下さい。

他の食品と比べ、消費期限が過ぎれば悪くなるという事はありません。

少しずつ品質が落ち味や香りが落ちていきます。

この賞味期限は適切な保存方法を想定した『美味しく飲んで頂くため』の目安です。

杉本園のお茶は真空にして窒素充填し、冷蔵庫で保管してあります。

パウダー茶は機械の関係上、脱酸素材を使用しています。

 

 

長男のちょっとした解説と補足

この頃の自分は行っていた専門学校を辞めて目標が無くなり、宙ぶらりんな状態でした。

試飲販売なども楽しかったですが、気持ち的にはニートな状態でどうしたら良いのだろう、情けないなぁ……という気持ちでいっぱいでした。

この後また別の学校に行ってから働いたりもするのですが、自分にはこれだ!というのが見つかるまではまだまだ先の話です。

 

写真は2003年当時に、仲間の角皆さんからお茶の火入れを教えて貰っている時です。

みんな初めての試みだったので、試行錯誤しながらお茶の火入れをしています。

 

ここまで読んで頂きありがとうございました!次回のNo.29もご期待下さい!