オーガニックお茶通信

過去から見る無農薬茶の杉本園:お通信No.19 2000年7月発行

お茶畑と花

お茶畑からこんにちは!

今年の新茶はいかがでしたでしょうか?

お茶の出来具合としては、問屋さん達にも喜んで頂け買い付けの方が「美味しいから……」と、ご自分用のお茶をこっそりと買って下さいました。\(^^)/

お茶は相場で値段が決まります。一日一日でガタン、ガタンと値段が下がっていきます。

化学肥料を入れない我が家では一週間ほど世間のお茶刈りより遅く、収量も少ないです。

相場が下がり、周りの人達が半分以上終わった頃に新茶の収穫が始まります。

無農薬だからと、少し値段を上げて頂いても相場は下がっている上に収量も少ない現状では非常に辛いものがありました。

そこで、いつもの事ながら後先を考える??主人は「これは、お茶工場もできたし、いつまでも問屋頼りではなく、小売りを頑張れと言う事だ。」と数軒の問屋さんに少し買って頂いただけで、後は小売り用として”勝手に”残してくれました。

それを見ていた長男が「オッ!親父また始まったネ~。そんな事をして親父はイイとして、大変なのは母さんなのに……(私の方を見てニヤッと笑い)マッ、母さんはその為に親父と結婚したようなものだから頑張るしかないネ!」とニヤニヤしながら親をかからかいます。

本当にー!全くー!などと思いながらも、似たような親子を抱えヤルッキャナイ!のです。

何はともあれ大変だけれどまた1つステップアップした気分です。

と、書いていたらまたしても長男が「ナーンて言っても、このまま転げ落ちる事だってあるぞ(笑)」と……イヤナヤツ!

 

……と、いうわけで押し掛けました東京まで!!

何から手を付けようかと考えていた時ヒョコヒョコ現れる熊田君の事を思い出しました。

彼は、「ナチュラルハーモニー」という自然食関係の会社に勤めていらっしゃいます。

熊田君のおかげで家のお茶もお店に置いて頂けました。

いきなり電話で「熊田君、社長さんに会わせて!お店で店頭販売をさせて!!」と、何もしたことのない農家のおばさんが頼んでしまいました。

あっけにとられていた?熊田君も店長さんにお話をして下さいまして、イザ!東京へ……。

考えというモノは何もなく勢いだけの私です。

が、よく考えたら一人で東京へ行った事など全くありません。

そこで、主人の弟さんの奥さん(清恵さん)を引きずり込んで二人で出掛けました。

弟さんはお米やさんにお婿さんに行ったので、彼女はお客さんのお相手はお手の物です。

(行く、道々聞いたらあまり得意ではないとか……不安­……)

お店は、多摩市の京王線、聖跡桜ヶ丘駅のアーケード街にあります。

斜め向かいでは、京王スーパーがキウイの店頭販売を大勢出て大声でやっていました。

足はガクガクですが「ここまできたらやるしかない!」と私が大声を出しても誰も見向きもしないのに、清恵さんが声を掛けると止まってくれます。

清恵さんから「お姉さん、買い物に来ている主婦、それもチョットお洒落している人がイイよ。」などとワンポイントアドバイスをもらいながら始めました。

以前、熊田君が「僕たちはお客様に『まず食べてみて下さい。美味しいでしょ。実はこの様にして、こんな人達が作っているから美味しいんですよ。』とお話します。」と言ったことや、店長の浅井さんが「楽しんでいって下さい。それが一番ですよ。お客様に作っている状況やお茶についての話しをして下さい。」と教えて頂いた事を頭に置いてお話ししました。

何もわからない私ですが、清恵さんが止めてくれたお客様や、お店にいらしたお客様にパウダー茶の試飲をして頂きながらお話をしていたら”あっ!”という間に半日経っていました。

店長の浅井さんが「どうです。楽しいですか?」とたびたび声を掛けて下さったり、バイトのお姉さん達も私達がやりやすいようにとても気遣って下さいました。

こんなステキな方々のそばにいて売ってもらえるなんて家のお茶達は幸せ者です。

終わってから浅井さんに「始めとは顔が変わりましたね。いい顔になりましたよ。」などと言われ「エッ、そうですか?(笑)」と笑顔になれました。

(それは、きっと・・・皆さんのおかげですヨ)

余談ですが、お昼にはここで売っているお弁当を頂きました。とっても美味しかったです。

『お弁当だけでも4時間掛けて来た甲斐があった。』って思ったくらいです。

すべてがとても楽しい経験でした。

目の前の方と話しをしながら商品を感じてもらい買って頂く。

お店って表舞台でもっと派手なイメージがありましたが、本当は地味でコツコツと根気のいる仕事だなって感じました。

農業とどちらが大変とも言えないだろうけれど、人相手は楽しいけれど緊張感を感じます。

反応が早すぎます。

一つ事に囚われていると、次ぎに影響があります。とにかく気を使います。

でも、私ってこういうの結構好きみたいです。

自然相手の農業、人相手の商売どちらも同じように感じました。

作る物、売る物に心を向け気を向けて、主人はお茶との、私はお客様とのふれ合いが好きだから、それぞれの分野で心の通い合いが出来れば最高だなって思いました。

私達はお互い持ち味が違うから、このまま両輪のように進んで行ったら何かあるのかもしれない!と思え、ワクワクします。  

 

インターネットの「お茶畑からこんにちは」より

インターネットのホームページには、この通信や主人の感じた事、家族の紹介そして写真も少し載っています。       

高校3年生の長男がオリジナルキャラクターなどを作って更新していってくれます。

その中に『掲示板』と言う誰でも自由に書き込めるコーナーを作ってくれました。

私は高知県の東津野村の郷小学校の5年生です。

今お茶を使った料理を調べています。6個調べたけど、まだ知りたいので教えてください。

と、言うかわいらしい文が入っていました。

我が家でも小3の四男が学校で地元のお茶産業についての勉強をやっていて、毎日その話題で持ちきりです。

家と同じだと思ってたまたま頂いた「お茶が食べたくなる本」という小雑誌とパウダー茶をお送りしました。

東津野村もお茶作りの盛んなところで、郷小学校は全校数27名でその内”5年生が6名”という学校だそうです。

インターネットも、お茶について調べたい!という子供達のために事務のお兄さんが勉強をして始めたそうです。

送って頂いた写真の中に5年生6人と担任の先生、保健の先生もご一緒でした。

そして、ナントPTA会長さんからもお礼のメールを頂きました。

地域と学校全体で子供達一人ひとりを育て見守るといった雰囲気を感じました。

私もこのお仲間に少しでも入れて頂けた事がとても嬉しいです。

時々、事務のお兄さんと女の子が学校の様子をメールで知らせてくれます。

これからもヨロシクネ!

 

 

長男のちょっとした解説と補足

この頃から今に近い販売形態へ移行し始めました。

ナチュラルハーモニーさんとは最近は縁遠くなりましたが、この時の店長さんである浅井さんとは今でも交流があります。

この人はかなりパワフルな方で、僕もこれから巻き込まれていきます……(^^;

 

ここまで読んで頂きありがとうございました!次回のNo.20もご期待下さい!