オーガニック日本茶通信

オーガニック日本茶通信:新茶前のお茶畑にぼかし肥を入れました。

タンポポ

通信No.009「1998年04月」

みなさんこんにちは!金谷町では四月十一日、十二日とお茶祭りがありました。

中1の次男は茶娘道中のお囃子に、私と小学生の2人は屋台踊りにそれぞれ参加しました。

この春は卒業式、入学式と三つ抱えていた私は、踊りの練習どころではありませんでした。

前の人の踊りを見よう見まねで踊ったお祭りも何とか終わり、これからの時期、金谷町は「お茶」一色になります。

我が家のお茶は化学肥料を入れないため他の畑より遅くはなりますが、それでもだいぶ萌葱色に色づいてきました。

 

新茶前にはこんな仕事をしています。

冬から春に掛けて”ぼかし肥”と”有機配合肥料”をそれぞれ二回畑に入れ、かき混ぜました。

その間にストチュウ散布も二回しました。

お爺ちゃんとお婆ちゃんは化学肥料が入っていなくても、良いお茶の木にしたいからと山の草(すすき)を刈り、小さく切って畑に敷き込んでくれました。

山の草は微生物を活性化させ、お茶畑にとっても良い有機肥料となります。

一昔前はみんな奪い合って刈っていたそうですが、今では大変なため殆どやっていません。

山中の急斜面で草を刈り取り、道なき道を担ぎ出すのは大変です。

化学肥料を使えばそんな大変な仕事はしなくてもいいからです。

例年は山の草を夏~秋まで刈り取りますが、お爺ちゃんとお婆ちゃんは畑のためだからと、春先までその大変な仕事を続けてくれました。

山の草刈りは難しく、一つ間違えれば大怪我をしてしまいます。

お爺ちゃん、お婆ちゃんのおかげで我が家のお茶は成り立っています。

 

春先になると畑もにぎやかになります。    

最近ではウグイスが鳴き始め、バッタや雨蛙、そして小さな蜘蛛が畑を飛び跳ねています。

アッ!そう言えば、これらの餌になる害虫もしっかりいました。

お爺ちゃん達の心配を余所に「何事もバランスが大切、これが自然だ。」と主人は涼しい顔で害虫を見ています。

畑の道にはスミレがたくさん咲いています。

主人が肥料を蒔き、私は耕耘機で畑のうなを行ったり来たりして、かき混ぜています。

うなの場所を変えるために畑の横の道に出て機械の向きを変えます。

その時、すみれの花が目に付き、「ワッ!踏んじゃう。」とよけようとしてバランスを崩し機械をひっくり返したり、そのままお茶の木につっこんだりと大変です。

この畑は傾斜地なので、慌てると停止レバーを間違えてしまいます。

その度に主人を呼んで助けてもらっています。

山の中にある畑の周りの道は、町でハイキングコースとして二、三年前に整備されました。

ワラビやゼンマイの出るこの季節はワラビ取りの人達や、ハイキングをする人達で畑の周りもとってもにぎやかです。

ただ畑にゴミが捨てられたり、畑に入って新芽を摘みとって行く人があるので残念です。

 

お茶は色々なことを教えてくれます。

最初は”農薬”が自然をダメにするのだと思いました。

化学肥料は以前から少なめでしたが、止めた途端に土の中でミミズをはじめ、小さな生き物たちが急に増えてきました。

翌年の夏から秋まで日照りが続き、9月に入った途端にシャクトリムシが大発生しました。

そこの茶畑は葉っぱをほとんど食べられてしまい、枝ばかりになり、10月末の秋冬番茶は収穫できませんでした。

「農薬を掛けないのだから仕方がない。」と思い、小指サイズまで成長したシャクトリムシを必死で手で取りました。

しかし、畑仕事をしているときにフッと思いました。

シャクトリムシが大発生した場所は、湿気ている場所で、根が浅く、弱々しいお茶の木の所でした。

もし、あの日照りの時、弱々しい木が葉っぱを付けたままでいたら、葉っぱの蒸散作用で持ちこたえられずに、枯れていたのかもしれません。

今の農業は結果だけ見て対応します。虫が付けば農薬を掛け、病気になれば農薬を掛ける。

どうして虫が付くのか?どうして病気になるのか?そこを考えていないように思います。

化学肥料を入れていたときは直ぐに肥料が効くので、根が浅くても、土地が湿気ていても、どこも関係なく同じ様な生育具合でした。

お茶の木だけを見ていては気が付かないけれど、土が悪いからでした。

化学肥料を入れなくなると、土の善し悪しがお茶の木に現れました。

化学肥料を使うと見た目の生育は良くなります。しかし病気や害虫が発生し易くなります。

手っ取り早くなんとかするには?と農薬を使います。これは人の身体も同じだと思います。

病気になった!それ薬だ!注射だ!……と、本当に大切なのは病気にならない身体を作る事だと思います。

それには先ず、”身体を作るための食べ物”から考えていくことが大切です。

そして悪くなった場合は、農薬的な対処の仕方ではない”何かが”必要なのだと思います。

お茶の木も同じで、畑を良くするのは土作りです。山草など自然の有機物を畑に入れます。

そして、土を良くするお手伝いに微生物資材のEM菌や海草、植物などからの抽出物などが使われます。

これらは「これさえあれば!」というような”特別なモノ”では無く、起爆剤にすぎないと思います。

シャクトリムシは悪い害虫かもしれませんが、逆に考えれば農薬がなくてもシャクトリムシが葉っぱを食べることで、日照りからお茶の木の負担を軽くし、枯れるのを防いでくれていたのでは?と感じました。

他の畑でもその畑に必要な方法で、自然が畑の回復をお手伝いしてくれます。

自然は人間が浅知恵で手を出さなくても最善の方法を用意しているようです。

お茶は収穫が早ければ高く売れます。だから「芽出し」という化学肥料を入れます。

早く芽が出るようになれば霜の害に遭いやすくなります。

だから、霜除けの防霜ファンが必要と、人間ペースでお茶栽培が行なわれています。

早ければ希少価値があり、良い物とされ、それに踊らされている現実です。

自然に対してもっと謙虚になっても良いのでは?目を向けるところが全く違うのでは?…とつくづく感じている主人なのです。

 

ちょっとビックリ!こんな話……

我が家のお茶もだんだんと大きなお茶屋さんが見に来てくれるようになりました。

その中の一軒のお茶屋さんからこんな話を聞きました。

お菓子やカステラ、アイス等に『抹茶使用』と書かれているけれど、実際は殆どが普通煎茶の粉末茶だそうです。

抹茶のような鮮やかな色を出すために、お茶の葉っぱを蒸す時、多量の重曹を入れるそうです。重曹を入れると、とても鮮やかな緑色が出ます。

しかし、この工程で”お茶の効能”であるカテキンの殺菌効果が無くなり、雑菌が増えます。

そのままでは食品に混入できない為、改めて殺菌をして使われるそうです。

今騒がれているお茶の効能はこのカテキンだと言われているのに、カテキンの効能を無くして色付けだけに使われるなんて、もったいない事だと思いました。

 

 

お茶農家長男のちょっとした解説と補足

この頃はシャクトリムシやミノムシに苦しめられました。

でもそのおかげで父はまた新しい可能性を見付けることができました。

現在はお茶畑は当時より更に良い状態になっています。

茶樹全体に太陽光や風が行き渡り、雑草は直ぐに分解され土になります。

今がゴールとは思っていません。これからも更に先を目指して頑張っていきます!

 

ここまで読んで頂きありがとうございました!次回のNo.10もご期待下さい!


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