オーガニックお茶通信

過去から見る無農薬茶の杉本園:お通信No.03 1996年12月発行

新茶に向けて

お茶畑からこんにちは!

今年も残りわずかとなりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

私達にとって、この一年はとても大変だったけれど、幸せな一年間でした。

 

一年を振り返ってみて

一番茶(五月の新茶)二番茶(七月)秋冬番茶(十月)と揉んでみて、一番茶ではお茶の木の事を考えて収穫の時期を遅らせましたが、だいぶ木の勢いも戻って来たので虫も病気も付きませんでした。

二番茶では製品の事を一番に考えてみようと、小さい芽(みる芽)でお茶刈りをしました。

今までと同じように揉んでも、出来上がった製品は今までと全く違い“たくましいお茶”といった感じがしました。

主人も「牛に例えるなら、今までは牛舎に閉じこめてビールを飲ませ”霜降り肉”を作っていたのが、今は放牧させて太陽をいっぱい浴びた草を食べて育ったような感じだな!」と言っています。

パウダー茶にした時、化学肥料を使って無理に成長させなかった為か、無農薬栽培で土が自然に戻って来た為か、それとも充分に太陽に当たって大きくなった為かはわかりませんが、渋みの中に甘みがあって”おいしい”と会社の人や試験場の先生方にも言って頂けました。

 

名古屋のエコロジー見本市に行って来ました。

自然食通信を見て名古屋の”中部リサイクル市民の会”から、エコ見本市へのお誘いがありました。

多くのエコロジー関係のお店や会社が集まった見本市兼交流会でした。

「お茶畑からこんにちは」のエコ編を作って、パウダー茶入りバターロールを「ぞうさん」という障害者の人達とやっている自然食のパン屋さんに作って頂き、試食品として持っていきました。

結構評判が良くて、お茶を扱ってくれるお店もできました。

 

岐阜県の中学の先生から突然電話あり、、、???

この見本市でお茶を買って下さった方だと思うのですが、中学二年の社会科の先生でした。

子供達に今のお茶農家の状況をテープにとって聞かせたいので、お話を聞かせて欲しいとの事でした。(丁度、家の長男が中学二年生で同じ所をやっていました。)

主人は待ってましたとばかり「こういう頭の柔らかい子供達に言わなければ」と、今の農家が必要以上に農薬や化学肥料を使い、地下水を汚しているのか、自然の生態系を脅かしているのかを話しました。

そして、私達がしなければいけない事は、種が芽を出す事のできる生きた土に戻す事、お茶が本来持っている多くの良い効能を引き出すお茶、飲んだ人を健康にしてくれるお茶、そんなお茶を作る事が大切な事かを話させて頂いたようです。

この先生が他の人に電話していたら、きっと困っている事はお茶の値段が安い事とか、病害虫の防除にお金が掛かるとか、跡継ぎがいないとか、世間一般のお茶農家が言っている事を聞いたでしょう。

この先生は家に電話してラッキーだったよね!と二人で自己満足でした。

 

『農業頑張ってるお母さん』が畑を見に来ました。

私達の住んでいる榛原郡志太郡など、周辺の市や町の農家のお母さんのグループ「アグリレディース」に入れて頂きました。

そしたらナント!会員のお宅訪問に選ばれ50名位の方々が来て下さり、主人はここで又、安全なお茶作りがいかに大切かを話させて頂きました。

私もまたまた「お茶畑からこんにちは-アグリ編」を作って、みなさんとの心のふれあいがどれだけ私達を元気付けて下さるか、子供達の未来の為に大切なものはお金や物ではなく、その陰に隠れてしまっている人と人との心のふれあいであり、健康な身体を維持するための安全な食べ物、その食べ物を作ることのできる生きた土など、自然を大切にすることが私は大切だと思うと書かせていただきました。

お母さん達からの感想は「消費者の皆さんと直接の温かい交流をされていてうらやましい」とか「無農薬って“何もしなくていい”と思っていたけど大変なんだね」「茶畑が虫も寄せ付けないっていうか、ガキ大将みたいな自然の力を信じた茶畑だね」「主人にも今のお話聞かせたいし畑も見せたいから又来ます」と、とても嬉しい反応でした。

みんなに少しでも私達の思いが伝えられ興味を持ってもらい、一人でも仲間が増えたら嬉しいのです。

安全な食物作りがもっともっと広がり当たり前の事になってほしいと思います。

 

今、畑ではこんな仕事をしています。

11月下旬に茶畑のナラシをしました。

お茶刈り機そっくりのナラシ専用機械で来年の新茶に古い葉が混ざらないよう、秋冬番茶以後に伸びた葉を刈り落としました。

お茶刈りみたいに収穫しないので、ずっと同じ姿勢で機械の油が切れるまで歩き続けます。

とても疲れるので、ついに鍼にお世話になりました。

主人は残りを中二の息子とやりました。

12月から草取りをし、冬の寒さから守るためと土作りのために藁や山草を敷いています。

山草はものすごく急な山からおじいちゃんとおばあちゃんが刈ってくれた物です。

本当にありがたいと思っています。

 

色々と御助言頂いている大学の先生から群馬EM研究会の集まりにお誘い頂きました。

残念ながら主人の年に一度のマンドリンの定期演奏会と重なり行けませんでした。

いつか群馬におじゃまして、いろいろ教えて頂けたらと来年の楽しみができました。

私達の一年はこのような様子でした。

来年も皆さんから頂いたお気持ちをお茶にしてお返しできたらと思っています。

今年一年本当にありがとうございました。来年もよろしくお願い致します。

お忙しい時期ですが、お身体にお気を付けて良いお年をお迎え下さいませ。

 

 

長男のちょっとした解説と補足

たくさんの方と繋がりが出来た年でした。

お茶栽培は苦労の連続続行中ですが、お茶や自然に対しての向かい合う気持ちはこの頃から変わっていません。

無農薬栽培を反対しながらも応援してくれていたお爺ちゃん、お婆ちゃんにも感謝の気持ちでいっぱいです。

ただ、この時の自分は中学二年生で思春期真っ最中だったので、家の中で言い合いされるのがホントにキツかったです。

農家は絶対に継がない!!と心の底から思ってました。

 

ここまで読んで頂きありがとうございました!次回のNo.04もご期待下さい!